開業資金を低く抑えるため、また、家庭とサロンの両立のためなどの理由で、自宅の1室をサロンとして開業されるエステオーナーの方も多いです。
この際、住居形態が持ち家なのか、マンションなのか、賃貸なのかで事前にしなければいけないことが変わってきます。
自宅の1室をサロンとして利用する場合の住居形態別の注意点をまとめてみました。
持ち家の1室をサロンとして利用する場合、まず自宅の地域の用途が店舗兼住宅が認められるかを確認しましょう。
第一種低層住居専用地域などでは店舗を建てることが出来ませんし、その地域の条例などもチェックするようにしましょう。
第一種低層住居専用地域の場合、店舗兼住宅だと店舗部分の床面積が50㎡以下でなければならないなどの規制があります。
50㎡というと、約15坪、畳にすると約30畳程度の広さになりますので、自宅の1階にある1室をサロンスペースにする程度であれば50㎡以内という要件は満たすことができる場合が多いです。
第一種低層住居専用地域ではなく第二種低層住居専用地域などの場合は店舗の要件がかなり緩和されて面積は150㎡まで可能になります。
既にある持ち家の一室を店舗にするのではなく、これから自宅サロンの開業用に店舗兼住宅を探す場合は地域の住宅の用途や制限を確認することが必要です。
自宅サロンを開業するとお客様による人の出入りが多くなりますので、お隣近所の方にとって迷惑となることがあるとよく思われない方が出てくるケースがあります。
特に多いのが駐車をめぐるトラブルです。路上駐車が増えたりすると、近隣住民の方からクレームが入る場合もあります。
お客様の駐車スペースは別に確保するなど、駐車のトラブルが起きないよう準備しましょう。
自宅の駐車場が1台分しかないという場合は自宅の駐車場をお客様用として使用し、自分や家族の車は月極駐車場などを借りて別の場所に駐車するなどが必要になる場合もあります。
分譲マンションの場合、管理規約や規約に付随する使用細則の禁止事項として
などの項目が含まれている場合が多いです。
分譲マンションで自宅サロンを開業する場合はまず管理規約や規約を確認するようにしましょう。
規約で禁止されているのにコッソリ営業して、ご近所の方が気づいて理事会で問題になり閉店せざるを得なくなった上、ご近所との関係が気まずくなったというケースもあるようです。
もし、自宅サロンを開業できたとしても分譲マンションの場合、共用部分となる部屋の外にサロンの看板などを表示することは困難なので集客的にも不利になります。
また、お客様としてもマンションの1室にあるサロンに飛び込みで行こうというお客様の割合は決して高くはありません。
このように分譲マンションは管理規約面でも集客面でも自宅サロン開業には向かない住居形態と言えます。
一般の賃貸住宅の場合は、まずは大家さんとの契約内容を確認し、許可が必要な場合は大家さんに申請します。
大家さんがOKであれば基本的にはOKです。
※第一種低層住居専用地域にある賃貸住宅の一室を自宅サロンにする場合は店舗部分の床面積が50㎡以下である必要があります。
看板をださないことや営業時間の制限など条件つきでOKしてくれる大家さんもいます。
集合住宅の場合は騒音などのトラブルも起きやすいので、ご近所に迷惑がかからないよう注意しましょう。
分譲マンションを賃貸している場合は、管理規約で住居以外の目的で使用することを禁止されていることが多いので、大家さんがOKでも理事会などで問題となり、最悪退去勧告されてしまうこともあります。大家さんがOKでも管理規約を確認するようにしましょう。
上記の通り、マンションの場合だと管理規約などでサロンにすることが難しい場合も多く、また、マンションは集客面で不利になります。
そのため、自宅サロンの開業に向いているのは一軒家だということになります。
個人事業主として自宅サロンを開業し、自分自身の持ち家を店舗兼住宅として使用する場合、水道光熱費や火災保険料、住宅ローンの利息、固定資産税などは事業用に使用している分を按分して経費として計上できます。
また、住宅建物の内、事業用に使用している部分の減価償却費や設備の減価償却費も経費として計上できます。
エステサロンなどのサロンを開業する際、店舗物件を借りて開業するのではなく自宅サロンとして開業するメリットは店舗の家賃や初期費用が大幅に抑えられることで開業資金が少なくても開業できることでしょう。
駅前など繁華街の良い立地にある物件を借りるのに比べると、開業にかかる初期費用(敷金・礼金・保証金・改装費用・設備費用など)が大幅に少なくて済みます。
自宅の一室を使用するだけで家賃が実質ゼロというのは毎月の固定費が少なくて済み、毎月の損益分岐点が低く、大きな赤字になる可能性は低くなることでしょう。
自宅サロンのデメリットとしては立地面、集客面で不利であることです。
駅前などの繁華街で人通りが多いところに店舗を構えて看板を出すのに比べると、自宅サロンの多くは住宅街にあり、認知されにくくなります。
看板などを出していても、店舗ではなく知らない人の家に行くのに心理的に抵抗感がある人もいるため、集客面でテナント店舗より不利になりがちです。
自宅サロンは集客面で不利なため、売上や利益を上げにくくなってしまいがちです。
【サロン経営者必見】サロン経営で成功するための差別化戦略とは?
「どこのサロンでもやっているメニュー」だけでサロン経営し、成功するのは難しく、エステサロンの開業・経営で成功するためには、近隣の他のサロンと「差別化」することがとても大切です。
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